
は じ め に
過去に一度も会ったことのない10ヵ国18人のエス語仲間(エスペランテイスト)を訪問し、独りで2ヵ月間旅行をしました。第94回世界エスペラント大会がポーランドのビヤリストック市で開催されたからです。この町にはエス語の創始者故ザメンホフ博士が住んでいましたので、一度は訪ねてみたいと思っていたからでもあります。
2009年に私は67歳でしたが、まだ体力に少しは自信がありました。エス語仲間の民泊システム(Pasporta Servo)を利用して、インターネットでの宿泊予約など全てを独りで準備しました。残された私の寿命からして二度と長期のひとり旅行など出来ないと考え、良い機会なので中央ヨーロッパの国々を旅行して、アウシュビッツも自分の眼で確かめたいと思いました。
独りで旅行するのは、光州(韓国)、プラハ(チェコ)そして上海(中国)についで、今回が4度目でした。しかし過去の3回は数日間の旅行で、エスペラント大会参加などでしたが、今回の大会関係は12日間のみでした。
思い出に撮影した写真は約3000枚以上、その中から1500枚を抜出しA5版400頁の回顧録を残しました。これは家族に知ってもらうため、何よりも孫達への贈物でもあります。
どの国の言葉よりも短期間で独習できるエスペラント語は、お互いに言葉が通じるという共通語の大切さを十分に実体験させてくれました。
故ザメンホフ博士は世界共通語エスペラントを一人で創り出し、生涯をその普及と発展の為に捧げ、そして言葉の違いによる差別を無くし【友好と平和】を進めることを願っていました。エスペラント語が発表されて、百数十年たった今日、この共通語を使用する人々は世界中に住んでいます。
この旅行記を読まれ言葉が通じることの素晴らしさと、お互いが抱く信頼を身近に感じて頂けたら心から嬉しく思います。
2022年10月 著者記す
エスペラント伝習所須恵 橋口成幸 https://atomkonto.wixsite.com/densyuusho