

3番目の手紙は7日間かかって3月16日に到着した。フランスのサンボレク・ボグーショ氏(61才)から のもので、その後も文通を続けている。
日本では珍しいと思うのだが、地下炭坑の絵ハガキの裏には706メートルの地下で働いていたという 添え書きがある。横長の白封筒には私の住所が癖のある字でデカデカと書かれていた。87年の6月に 福岡市美術館で開催されたメールアート展「地球芸術郵便局展」に参加した私達エスペランチストのために、 彼は素晴らしい切り絵を7枚送ってくれた。私の絵葉書収集広告に対し、3月から5月にかけて絵ハガキを 送ってくれた相手に私は返事の中で、この展覧会への協力を頼んでいたのだ。
福岡市美術館で「地球芸術郵便局展」を開催する6月迄に22ヶ国70数名の手紙や絵ハガキを受け取る ことに成功していた。集まった絵葉書を使用してこの年ポーランドのワルシャワで開催された第72回世界 エスラント大会の日程にあわせた1987年8月はじめの一週間、私が住んでいる唐津市郵便局でエスペラント 文通展を開催し、新聞にも大きく報道された。
ボグーショ氏から既に11回も手紙を受け取り私も返事を書いた。糖尿病で毎日注射を打っている膝は、 梅雨時に痛むという。写真も交換し、毎回同封されてくる切り絵と絵ハガキのお礼に、私も絵ハガキを送った。 広重や歌麿の版画美人のある名刺サイズの華麗なカレンダーを、宝くじ売り場でせしめて送ったところ、 艶絵だと受け取ったのだろうか話が映画に及び、日本版のアダルト映画を若い者と昨日観てきたと書いて よこした。若者達にかなりの人気だという。フランスでも検閲が厳しいらしく、日本ではどうかと聞いてきたので、 その筋に詳しい友人の助けでハード物は手に入らないと返事を出した。逆輪入されている日本の事情など 知らないらしい。





