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7.娘の甲状腺への放射線被曝

 

 2012年より滋賀県医師連盟のご協力により、エコー検査だけでなく健康診断、血液検査、心電図などの検査も受けられるようになりました。
 娘も高校2年生の夏休みに甲状腺のエコー検査(超音波検査)を受けました。 その結果、嚢胞の存在が明らかになり、サイズはA-2(嚢胞20mm未満または小結節5mm未満)と判定されました。 目の前が真っ暗になりました。

 

 このようなことを避けるために避難したのに、私と妻はがっかりしました。 正直、検査前は不安もありました。 私と娘が車で避難したとき、後に避難指示区域となった飯舘村(以下「飯舘村」)の北を走る国道15号線を通りました。

 

 「Speedy」(「緊急時迅速放射線影響予測ネットワークシステム」)のデータによると、その後、私たちが利用していた経路に沿って放射性物質が流れていたことが確認されました。 避難の際に最初にこのことを知っていたら、私たちは絶対にこのルートを選ばなかったでしょう。

 

 スピーディのデータが公開されなかった理由は、住民の混乱とパニックを避けるためだったと当局者は述べた。 しかし、その情報を見せられれば、私たちは冷静に行動することができ、パニックに陥ることはありません。
住民に知らせたらパニックになる、そんな考えで住民を見下している。 そのせいで私の娘は核爆弾にさらされることになりました。それは本当に許せないことだと思います。

 

 娘は、避難先の滋賀県草津高校の校長先生の計らいで入学することができました。 その後、京都府立大学に進学しました。
 大学を卒業し、現在は京都市の会社に勤めています。 しかし私たちは毎年、娘が悪性腫瘍と診断されないことを祈っています。

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